テレビの民放各局もCM抜きでずっと地震情報を流し続けています。この原稿を書いている時点で、最初の地震が発生して36時間が経過しています。まだ救助の手が届かない被災者が、はたしてどれほどいるのでしょう。私の住まいの近くでも、被災によってお亡くなりになられた方がいます。決してテレビの中の出来事ではありません。3月12日、関東では購買ネットワーク会の開催が企画されていました。しかし、前日金曜日の夕方に急遽中止が決定。私は、前日の夜からずっとテレビにかじりついています。何をするでもなく、です。今回は、地震が起きて以降の自分の行動を振り返ってみます。そして、困った点について、次回同じ事が起こっても困らないようにしたいと考えました。このメルマガは、バイヤーによるバイヤーの皆さんのための内容です。今回は増刊号なので、内容的にバイヤーと直接関係しないかもしれませんが、どうぞご容赦ください。まず、地震が起きたときです。私はオフィスにいました。私は揺れに敏感なので、同僚の中でもいち早く気づきます。これまでの経験では、私が「地震!」と同僚に知らせる頃には、揺れは無くなりつつありました。しかし、今回は違いました。揺れている時間がとても長く、だんだんと揺れが大きくなる感じでしょうか。多分、数十年ぶりに真剣に訓練でなく机の下へと身を隠しました。そして停電です。非常用の明かりが灯りますが、オフィスは暗くなりました。どれ程の時間揺れていたのでしょう。揺れが治まった頃に、最近たまたまおこなった避難訓練と同じく、とりあえずの避難場所へと急ぎました。携帯電話のワンセグ放送をみると、震源地と震度が表示されていました。同僚の人数を数え避難状況を確認しながら、余震が起こっているのか、それとも自分が恐怖で震えているのかわからない、そんな状態でした。停電復旧の目処が立たないこと、地震の規模の大きさから判断して、すぐに全員帰宅が決定されました。私は自家用車で通勤しています。電車は止まっていました。同僚数名を乗せて車で帰路につきました。途中、同僚をおろして一人になると、家族の安否の確認を始めました。しかし、全く繋がらない。これは、私と同じように大切な人の安否を確認する人が多いこと、そして災害時の通信規制によるものです。私は電話をかけ続けます。これが良くないんでしょうね。結果、確認したかった3人の安否を直接するのに、5時間近くを要してしまいました。しかし、安否確認にはこんな方法があるんですね。1. 災害用伝言板NTT Docomo http://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/au http://www.au.kddi.com/notice/saigai_dengon/index.htmlSoftbank http://mb.softbank.jp/mb/information/dengon/index.html2. 災害用ブロードバンド伝言板NTT東日本 http://www.ntt-east.co.jp/saigai/web171/index.html3. Google Crisis Response内 Person finderhttp://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html4.NHK安否確認放送私はこの情報を、安否を確認したい人たちとシェアしようと決めました。私は幸い都心から離れた郊外に勤務しています。地震発生当日の17:30頃には、自宅へたどり着くことができました。もう一つ幸いだったのは、自宅は電気、水、ガスともに供給されていました。さっそくテレビをつけてみると、おぞましい被害の様子が刻々と報じられていました。大きな被害と共に、交通機関が麻痺していることと、帰宅困難者の存在が盛んに報じられていました。都内各駅の様子や、幹線道路を黙々とあるく人の様子が映像として流れていたのです。そんな中、私が多くの友人達の安否を確認したのは、Twitterのタイムラインです。そして、帰宅困難者に役立つ情報が、次々と呟かれています。実際に、自分が帰宅困難な状態にあったら役立つだろう情報は、テレビを遙かに凌ぐ情報量でした。これは、外出している人の情報源としては、ワンセグよりも簡潔なテキストの方が適している為でしょう。これまで、遠く海を隔てた海外の災害発生時にも大きな力を発揮したTwitterの存在感を実感したのです。繰り返しになりますが、私の自宅のライフラインは、幸いにして何も問題がありませんでした。しかし、前の道路を隔てて反対側は停電していました。連絡をとったある人は、こんなものがとても役だったと話をしてくれました。日本の商用電源の品質は素晴らしいですが、一度無くなると途方に暮れてしまいますね。安否を確認すると、何も食べていないことに気づきます。最寄りのスーパーマーケットへ行ってみると、弁当、総菜、パンといった調理を必要としない食料品、そして水が売り切れていました。他には、電池やロウソクも売り切れです。災害への準備として、三日分の食料を準備することが求められています。私の住んでいる地域では、幸いに大きな被害はありませんでしたが、三日分の食料準備の重要性も感じる結果となりました。しかし今回大きな被害を受けている地域では、地震発生から15分~20分で最初の津波が到達しています。標高の高いところへ逃げるにしても、よっぽど準備しておかなければ、着の身着のままとなってしまいますね。私の職場は海に近く、同じような境遇になったときの対応策は、よく考えなければならないと痛感しました。最後に、バイヤーとして。大手製造業は、14日の工場稼働中止を12日の時点で発表していました。これは、被害の状況をある程度掌握・もしくは想定して、事態の混乱を防ぐための処置と想定されます。これほど早期にこのような判断が下されることも、ここ20年には無かった事態ですね。クライシスマネジメントの実践とも言えますが、それほど今の状況が甚大な被害によるものであることを表しているわけです。バイヤーとしては、被害に遭われたサプライヤーの現状掌握が必要となります。しかし、現地は想像を超えた混乱の中にあります。我々バイヤー以上に、サプライヤー側の担当者自身が一刻でも早い復旧を祈り、そして実行しているはずです。これまで確認したところでは、ホームページ上に被害状況を既にアップしている企業もあれば、サーバーが落ちていると想定され、通常のホームページも閲覧できない企業もあります。私は、今あえてやるべき事として、サプライヤーの被害状況の確認もさることながら、自社が被災の中心に置かれた場合の対応手順を今一度、確認することを強く提案したいのです。最近では、個人情報保護が強く叫ばれています。その結果、私の勤務先でも、帰宅した社員の安否掌握には手間取りました。これは、私の勤務先が外資系で、出入りも激しいことも影響しているでしょう。つい最近入社された方は、今現在も安否が確認できていません。したがい、まず同僚の安否確認の方法について、再度仕組と手順を確認したいと考えています。そして、社内の具体的な被害状況の掌握と確認です。私の職場でも、キャビネットが倒れたり、棚のものが落ちたりといったことが起きています。そんなことに対しても、再発防止の策を一つ一つ、講じてゆきたいと思います。自社の事業継続が可能かどうかを掌握して、発信することが必要であると考えるためです。最後に、調達・購買部門の本分として、社外リソースの稼働状況の掌握です。新潟県中越地震では、自動車のエンジンに使用されるある部品のサプライヤーが壊滅的な被害を受けました。あるメーカーでは、地震発生当日に百人規模で、復旧対応要員を現地へ送っています。今回のケースでは、現地への移動手段の確保もままならない。で、あれば、普段から様々なケースに呼応できるようなサプライイヤーマネジメントをおこなっていれば、代替えサプライヤーへの発注を行なえば良いわけです。私は、このような事態への最良の対処は、一刻も早く災害が起こる前の日常を取り戻すことだと思います。これが、日本国民の全員に一日も、一分でも早く訪れることを心から祈っています。幸いにして、被害を受けなかった、もしくは少なかった場合には、早急に日常を取り戻すことが、日本全体の被害回復への最短距離である、そう信じています。 ぜひ、ついでにこちらも見てください!クリックして下さい。(→)無料で役立つ調達・購買教材を提供していますのでご覧ください