調達・購買が会社に与える影響として最も一般的に考えられていることはコスト低減による収益の拡大です。これまで100万円で購入していたものを90万円で購入できるのであれば、10万円が自社の増益となります。
しかし、昨今は単なるコスト低減だけではなく、企業を取り巻く様々な環境変化に対応する存在として調達・購買部門が期待されています。
代表的な環境変化としては、下記のようなものです。
(1) 全世界ボーダレスな価格競争
(2) コーポレートガバナンスの強化
(3) 商品開発スパンの短期化
(4) 新技術の台頭
(5) 地球環境に優しい製品への要求の高まり
つまり、これからの調達・購買部門はこのような環境変化に対応して、自社の開発・生産に満足できるようなQCD(Quality、Cost、Delivery)を提供せねばなりません。
Q・・・短期開発にも対応した品質の熟成、環境問題に対応した部品の調達、 新技術の採用
C・・・海外勢に負けないコスト競争力の実現、グローバル調達
D・・・生産タイミングに応じた納入、多品種少量に適したサプライチェーン構築
これまでのように企業の陰に隠れた存在ではなく、自社企業価値の向上を目指して積極的に行動する調達・購買部門が求められています。