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Web2.0から購買2.0へ!!(2)
ここまで書いて、私はインターネットやe調達を否定しようとしているのだろうか。
確かに、インターネットやe調達の負の面を多く書いてきた。
しかし、このような千の否定のあとに、あえて言おう。インターネットやe調達は有効である、と。これは皮肉ではない。
そのようなものを否定してはもはや業務スピードが立ち行かない時期にまで来ているということは前提として持っておくべきなのだ。それは当然なのだ。
考えてみれば、一昔前の紙伝票を一枚一枚書いていた時代を思い出せば、そのスピードアップはすごいものだ。紙の伝票を未だに使っている企業には悪いが、電子伝票を使ってしまえば、もう昔に遡ることなどできない。
私が言いたいのは単純で、「インターネットやe調達は、使用できる範囲を明確にし、限界を見極めて有効な使い方をしよう」ということだけだ。
そして「大金を使わずとも、もっと簡単に効率化できるところがある」ということだけだ。
リバースオークションの件であれば、手段がどうであれ「コストの妥当性」をより突っ込んで査定していくのが筋であったし、それは決して表面上の書類審査や評価試験で終わらせるべきものではなかった。
見積もりの交渉だけでなく、今後長期的な付き合いをしていくサプライヤーの1社として文化とも呼ぶべき企業体質をより深く理解しようとする努力とプロセスが不足していた。
そのような当然のプロセス整備と考え方の整理があるというのが前提だったのだ。
その前提があればあるほど、その業務を加速化するという意味でITのツールは非常に有効になっていく。
逆に、伝票の例のようにプロセスが決まりきったものであれば、ITを使わねば多くの機械損失を被ることになる。
・・・・
国際的な企業で電子調達を導入して成功した例はさかんに雑誌等で取り上げられているが、それはツールそのものの優位性というよりも、使いこなし方の優位性と正しく評するべきだろう。
当然、日本でも電子調達を活用した方が効率化な分野は多い。
それに、標準化できる仕事はまだまだいくらでもある。
そして当たり前ながら、ただ単に電子調達を導入してもコストは下がるはずはないのだ。
リバースオークションもe調達もコストダウンを実現する魔法の杖ではない。それは、確固とした各購買部の仕事のやり方がある上に構築されるべきだ。
そして私の例で分かるように、それは大掛かりなシステムをもってのみ実現することでもなく、些細な改善の組み合わせで実行できることもある。
大掛かりな仕組みがどうしても必要なときは、それを使えばいい。結局はそれだけの話だ。
まずはそこを見極めて、成果を上げるべきなのだ。
ところで、最近web2.0というコトバが流行っている。
専門家ではないので誤った解釈かもしれないが、web1.0とかweb1.5ってのは、一方的にコンテンツを配信するもので、それに対してweb2.0っていうのはコンテンツ同士が連携して、お互いがインタラクティブ(=真の社会的なネットワークとして)に共鳴しあうというというものだ。
もし、これを購買に適応するならば、さしずめ購買1.0とは購買が購買の一方的な想いを社内に投げていくものであるだろう。
もうその時代は終わった。
それに対して、購買2.0は自社内の他部署をも見回して、コーディネート役を買って出、社内部署のそれぞれのフル能力を活かす最強のコミュニケーション媒体として最高の成果をあげていくだろう。
「バイヤーはWeb2.0から購買2.0を目指せ!!」